「個人も含めれば、毎日フル稼働」の超多忙
とはいえ、実際に大阪府教育委員会では2008年、高等学校課内で盗聴器が仕掛けられているのが見つかった例がある。庁舎内に盗聴器が仕掛けられている可能性が、まったくないとは言い切れない。
大手警備会社の綜合警備保障(ALSOK)は、「情報漏えいの原因は、記録媒体の流出が目立つが、口頭や電話による情報の伝達時にもリスクがある」と指摘。情報戦争の時代にあって、「倫理と秩序を無視した盗聴行為は存在します」としている。
同社では企業などの情報漏えい対策の一環として、グループ会社の東心総合警備で「法人向け盗聴器・盗撮器探索サービス」を手がけている。
東心総合警備によると、サービスの依頼は「月4~5件、多いときには10件はあります。個人向けを含めれば、毎日2班がフル稼働して当たっている状況です」と、超多忙のようだ。
盗聴器の探索サービスの利用は、官庁や本社機能が集中する、東京・霞が関や永田町や周辺のオフィス街が多いが、地方都市でも仙台や名古屋、大阪、神戸、福岡などで増えているという。
「最近はどの企業、自治体も情報漏えいに敏感なので、増えています。多くの場合はなにかの機会に実施するようですが、なかには1回実施して以降、毎年1回必ず実施するという自治体もあります」と話している。