「自分の家」であるトップ下で仕事すべきと監督
ザッケローニ監督は試合後、所属チームでの出番が少ない本田選手について、調子を取り戻すまでに時間が必要だとの見方を示した。キプロス戦でプレーした「トップ下」は、本田選手がかねがね「自分の家みたいなもの」と公言しているポジションだ。スポーツニッポンによると、監督は「もっと『自分の家』で仕事すべき」と注文を出したという。
石井氏は、本田選手がミランでは右サイドでの起用が多かったため、「しばらくトップ下から遠ざかっていたことも(精彩を欠いた)原因ではないか」と指摘した。この点、代表メンバーとの練習を重ねて、最終合宿地の米国で行われる2試合で「ゲーム勘」を取り戻せば、プレーもさえてくるだろうとみる。
キプロス戦が行われた5月27日、「報道ステーション」(テレビ朝日系)で本田選手の独占インタビューが放映された。ミランで右サイドを任された経験から、代表チームで右サイドを務める岡崎慎司選手の苦労が理解できたと話す。トップ下でプレーするだけでは分からなかった、新たな発見があったようだ。そのうえで、自身のパフォーマンスで右の岡崎選手、左の香川真司選手という攻撃陣の本領を存分に発揮させてやりたい、と熱く語っていた。
「やるべきこと」は分かっている。あとは本番までにベストに持っていけるかどうかだ。石井氏は、キプロス戦を見ただけでは本田選手のコンディションが「疲労や試合勘の問題」なのか「深刻な状態」なのかは判断しきれないという。不安がないわけではない。ただ、初戦のコートジボワール戦まで壮行試合が2戦組まれている。半月余りという時間の中で本田選手がどこまで復調できるかが、チームの浮沈を左右する。