ポール・マッカートニーさん(71)が体調を崩したことにより、2014年5月の来日公演は「幻のコンサート」となってしまった。22日からはチケットの払い戻し受付がスタートし、コンビニエンスストアで発券したファンらは大切にしていたチケットを手に、続々と発券店舗へ足を運んでいる。
ところが、購入者がいざ払い戻しをしようとすると断られてしまうケースが発生しているようだ。理由は「現金不足」。複数のセブン-イレブン店舗で起きているという。
店主による手書きの案内も
「全公演中止の為、チケット代金は払戻を致しますが、現在、現金不足の為、当店にて出来ません。大変申し訳ございませんが、御相談させて頂き、払戻可能な日時を決めさせて頂きます」
「店舗での払い戻しは、チケットが高単価のため、御返金を承れない可能性がございます。お客様にはご迷惑をお掛けし、誠に申し訳ございませんが、『郵送での払い戻し』お手続きへのご協力をお願い申し上げます」
26日に都内のセブン-イレブンを何店舗か回ってみると、入り口やレジ前に上記のような掲示があった。中には店主が急きょ作ったと思われる手書きの張り紙もあり、払い戻しラッシュに頭を悩ませている様子がうかがえた。
今回の公演チケットは各プレイガイドが販売していて、複数のプレイガイドがセブン-イレブン店頭で発券できるようにしていた。公演の払い戻し自体は珍しいことではないが、こうした状況になってしまった原因は「高額チケット」にある。
ポールさんの来日4公演、特に武道館公演は「高額席」のオンパレードだった。アリーナ席10万円を筆頭に、S席 8万円、A席6万円、B席でも4万円と、国内アーティストの一般的な公演とはかけ離れた料金だった。2日間予定されていた国立競技場公演のチケットは、武道館と比べるとかなり低価格だが、それでも最も安いB席で1万3500円、A席では1万7500円、S席は1万7500円だった。
公式サイトは郵送を呼びかけ
一般的にコンビニのレジは、防犯上の理由から多額の現金が置かれていない。そうした理由もあるためか、数万円するチケットの払い戻しを短期間に複数回受け付けるのは容易なことではないようだ。
インターネット上には実際に行ってきたという人たちからも、
「セブンイレブンでポール払い戻しを拒否られ」
「セブンイレブンで払い戻ししようとしたら、笑顔で対応してくれたけど、 けっきょく店にお金が足りず、お断りされました」
「ポールのチケットの払い戻しにセブンにいったら『チケットが高いので取り扱いできません』だと!!びっくらこいた!!!」
などと、払い戻しができなかったという報告が寄せられている。
こうした状況を受け、27日には公演公式サイトにセブン-イレブン店頭で発券した人に対し、払い戻しについての注意書きが追記された。「店舗側での払戻金準備の都合により手続きに応じられないケース」が出てきているとして、その場合は郵送での受付で対応するという。なお返金分の到着は、「チケットぴあ」で購入した場合は6月9日の払い戻し受付期間終了後から3~4週間後、「キョードー東京」で購入した場合はチケット到着から1か月程度とのことだ。
なお、東京都内で療養していたポールさんは26日、チャーター機に乗って極秘で日本を発った。体調回復の一報を受け、ようやく気持ちに整理がついたというファンもいるようだが、それでも夢を見せてくれたチケットを手放すのは辛いようで、払い戻し前に写真に収めたり、カラーコピーしたりという人も。中には、記念にとっておくことを決めたファンもいる。