「日の丸プラットホームをつくる」
ネット時代の到来でメディアは優良コンテンツを抱えるだけでは競争に勝てなくなりつつあり、配信サービスなど新たなプラットホーム構築の必要性は増すばかりだ。両社は2011年から資本提携し、KADOKAWAがドワンゴ株12.2%、ドワンゴはKADOKAWA株2.7%を保有するなど統合への下地は醸成されてきたが、こうした競争環境の目まぐるしい変化を受けて両社は「補完しあえる」(角川会長)と統合を決断した。
この統合が見据える最大の狙いは映像コンテンツの海外配信だ。角川会長は「日の丸プラットホームを作っていく」と述べ、国内市場の縮小が続く中でグローバル市場に活路を見いだす考えを示した。しかし、世界には米グーグルやアマゾンのような「巨人」が先行しており、両社が厳しいグローバル競争に対応できるかは見通せない。
新旧メディアの統合を巡っては、2005年に楽天がTBSに統合を申し入れたがTBS側の反発で実現しなかったケースなどがある。国外でも成功するケースは多くないのが実情だ。業界からは「企業文化、風土がかけ離れており、本当にうまくいくのか疑問だ」との声も漏れてくる。角川会長は「敵対的なのは大概だめになる。KADOKAWAとドワンゴは異質な会社と思われているが、実は一卵性双生児だった」と説明し、今回の決断に自信を示したが、果たして成否は?