韓国・ソウル近郊の高陽(コヤン)市にあるバスターミナルのビルで火災が発生し、少なくとも6人が死亡する事故となった。
死者・行方不明者300人以上となった旅客船「セウォル号」の沈没以降、韓国では乗り物にまつわる重大事故が相次き、現政権にとって打撃になるのは間違いない。
商業施設を併設するビル、地下の工事現場から出火か
高陽市の総合バスターミナルは、国内の主要都市を結ぶ高速バスの発着場となっている。バスの待合場所だけでなく、大型スーパーや映画館といった商業施設を併設している。韓国・聯合ニュースによると、ターミナルは地下5階、地上7階で2012年6月にオープンした。
複数のメディアによると、火災は2014年5月26日朝9時過ぎに発生。地下1階の食堂の工事で溶接作業中、出火したとみられるという。韓国MBCニュース電子版は、ターミナルビルから煙がもうもうと立ち込める動画をウェブサイト上に掲載した。道路を挟んで向かい側の建物の屋上から撮影されたようだが、ターミナル周辺の大通りは特に交通規制がされている様子はなく、車が行きかう様子が確認できた。
火は30分で鎮火したが、多くの死傷者が出た。13時現在で、聯合ニュースは「6人死亡」と報じたが、日本のメディアは死者7人と伝えておりばらつきがある。また負傷したのは20人以上で、多くが煙を吸ったものとみられる。ターミナルビルは、地下鉄3号線の駅ともつながっており、一歩間違えば電車やその乗客をも巻き込みかねない事故となった。
それにしても韓国は、乗り物関連の事故が立て続けに起きている。セウォル号の転覆事故では朴槿恵大統領が謝罪し、関係者の逮捕や指名手配に及ぶなど国を揺るがす事態に発展した。その後、ソウルの地下鉄で衝突事故が起き、およそ200人が負傷。さらに別の日には電車の絶縁装置が破裂して11人がけがをした。相次ぐ事故で、乗り物や施設の安全性が問われる。