財務省が2014年度の個人向け国債のイメージキャラクターに、お笑い芸人イモトアヤコさんを起用した。
財務省が国債の広告に、お笑い芸人を起用したのは初めて。今後、新聞の広告やポスター、パンフレットなどに登場する。
購入者は富裕層が中心
国の借金に当たる国債は、2014年3月末の残高が853兆円(借入金などを含めた政府債務残高は1024兆円)と増え続けている。一方、日銀の異次元の金融緩和で国債の利回りは下がり、金融商品としての魅力が薄れているのも事実。難題を抱える政府としては、なんとか国債を幅広い投資家に購入してもらいたいのが本音で、広告塔として明るく、インパクトが強いイモトさんに白羽の矢が立った。
個人向け国債は2002年度に発行が始まり、1万円単位で購入できる。実際に国債を購入するのは投資に関心のある富裕層が多いため、これまでは広告のイメージキャラクターも「60代の退職層、50代の退職直前層の共感が得られるよう配慮した」(財務省)という。具体的には松本幸四郎さん、小雪さん、本木雅弘さん、谷村新司さん、高橋真梨子さんら、「団塊の世代に人気の高い俳優やミュージシャン」が登場した。
2013年度は風吹ジュンさん、高橋恵子さん、松平健さんに加え、落語家の春風亭昇太さんを起用したが、いずれも中高年ばかりだった。それが2014年度は一転。28歳と若く、お笑い芸人のイモトアヤコさんというから、中央官庁の中でも保守的で有名な財務省の変貌ぶりがうかがえる。