「山P」の愛称で人気の歌手・俳優の山下智久さんが、日曜深夜に放送されている番組で英語を披露している。語学を学ぶ内容ではなく、外国人女性を相手に30分間英語でコミュニケーションをとり続けるものだ。
山下さんの会話力は見ものだが、内容もちょっと驚きだ。第1回の放送では、初対面の女性とキスをするというミッションが与えられた。
「年取って見えるか」と尋ねられ「いい意味で」と切り返す
山下さんの番組「大人のKISS英語」(フジテレビ系)では、セットで組まれた「部屋」に外国人女性が訪れ、全編英語でやり取りをする。収録前に、どんな相手が来るのか、何をするのかは一切知らされていないそうだ。
初回はオーストラリア出身の女性がやってくる。山下さんは戸惑いながらも招き入れるが、何を話したらいいのか分からない様子だ。徐々に「何歳なの」「桜見た」「何か飲みたい」と英語で話しかける。たどたどしさはない。
すると唐突に、部屋に置かれているテレビに映像が流れ始めた。初対面の複数のカップルがキスをするという、米ファッションブランドが製作した話題の内容だ。眺めていた2人だが、見終わると今度は画面上に「キスしてください」と促す「指示」が出た。しばし表情が固まる山下さん。しばらく時間を置いた後に決行しなければならない。
出会って10分で出されたトンデモ指令。山下さんは英語を駆使して、女性との距離を縮めようと試みる。一緒にゲームをしたり、日豪の文化の違いを尋ねたり、飲み物を注ぎながら「デートしているみたい」と話しかけたりする。英会話にも慣れたものだ。女性に「大人びている」と伝えると、「もっと年を取っているように見える」と質問された。答え方によってはネガティブにとらえられかねない。そこで「いい意味で(年上に見える)」と切り返したのだ。また女性が、「多文化の」を意味する「multicultural」という単語を口にすると、最初は分からなかったようで聞き返し、習得していた。会話はスムーズに運び、物おじする様子はなかった。
ついに「キス指令」が出ると、意を決したように「今日出会えったのは奇跡なんだよ」と甘いセリフを英語で言いつつ、最後は男らしく「キスしていい」。見事にミッションを達成してみせた。
都内の私立大学で英語を教える教員に聞くと、山下さんの英会話力を評価した。注文をつけたのは、女性に会って間もなく年齢を聞いた個所。「欧米では子ども以外には絶対に聞いてはいけない、タブーの質問」だからだ。とは言え、「現時点でこのぐらい話せるなら、本格的に磨きをかければハリウッド進出も夢ではないのでは」と話す。