リニア、「大阪まで同時開業を」の声 JR東海は表向き否定的だが...

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JR東海は「経営基盤強化」優先

   これに対し、JR東海の反応は表向き、つれない。特別委の提案が出た翌日がちょうどJR東海の決算発表会見だったが、現れた柘植康英社長は「健全経営が前提だ」と述べ、優先すべきは大阪延伸より経営基盤強化だとの考えを強調した。同社のドンである葛西名誉会長は4月28日、春の叙勲での旭日大綬章受章を受けて開いた会見の場で、「あくまで自分のお金でつくっていくと言い続ける」と述べ、否定的な考えを示した。

   ただ、それぞれ完全にはねつけるトーンでもなく、検討には含みを残す。それはそうだ。まず東京(品川)-名古屋のニーズがいかばかりか。40分にまで縮まるとはいえ、大阪に行くなら従来型新幹線などに乗り換える必要があり、利便性がさほど高まるわけではない。また、「無利子の金が出てくる」こと自体は、同社にとって悪い話ではない。JR東海もいつまで「自己資金が前提」といい続けられるか。「まだまだ分からない」と、冷ややかに見る向きもある。

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