小保方氏「実験用マウス」購入記録なし報道 毎日新聞「特ダネ」は根拠あるのか

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理研「科研費の目的外使用でなければSTAP細胞研究にも使用可」

   購入せず実験を実施したとなれば、誰かから譲り受けるなどして調達したのだろうか。こうなると、実験に適したマウスを使用したかどうかも分からなくなり、結果の信頼性も揺らぐ。第一「マウスの貸し借り」のようなずさんなやり取りが、研究所間で行われたとすれば大いに問題のはずだ。

   小保方氏は2014年4月9日の会見後に「補充説明」という文書を発表したが、その中でマウスについて「2013年3月までは、私は、神戸理研の若山研究室に所属していました。ですから、マウスの受け渡しというのも、隔地者間でやりとりをしたのではなく、一つの研究室内の話です」と説明している。これを前提とすると、購入していないマウスが研究室で見つかれば「どこから調達してきたのか」と疑問に思う研究者が出てくるはずだ。自費で購入というシナリオも、経費で買えるのにわざわざそうする必要性が感じられない。

   ひょっとすると実験そのものが実施されていないのでは、との憶測まで出ている。インターネット上には「エア実験」といった中傷に近い言葉までささやかれているほどだ。一方で「2012年1月24日」が小保方氏側の記憶違いといった単純ミスというのも考えにくい。そもそも小保方氏が主張している日付であり、自らの研究者としての運命がかかった不服申し立てで、不備のある情報を強調するというのは常識的にありえないだろう。

   理研は5月20日夜、J-CASTニュースの取材に文書で回答を寄せた。マウスの購入については「事実確認中ですが、科研費で購入したマウス(2011年12月入手)を使用している可能性があります」と説明する。毎日新聞の記事中に「科研費など他予算は充てられない」との記述があるが、これに対して「科研費の目的外使用にあたらなければSTAP細胞の研究にも使用できるため、その点について現在確認中です」とし、論文中の「acknowledgements」(謝辞)の中に、科研費の研究課題番号を記載していると付け加えた。

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