黒字転換、「復調」新日鉄住金の課題 高品質鋼材をいかに低コストで生産できるか

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中国や韓国が鋼材生産を増強、過剰生産の流れ止まらず

   この結果、2014年3月期には統合効果約300億円を含め、計約1200億円のコスト削減を成し遂げたといい、収益の大幅な押し上げ要因となった。新日鉄住金は「シナジー部分は十分達成できた」としており、2015年3月期にも統合効果を含め計約1000億円のコスト削減を目指す方針だ。

   ただ鉄鋼業界が置かれている環境は厳しさを増している。2015年3月期も「自動車生産などは堅調で、国内需要は比較的順調に推移する可能性が高い」(鉄鋼関係者)との見方は強いものの、消費増税を控えた駆け込み需要という2014年3月期の特殊要因はなくなり、国内需要が大きく拡大していくとは見込めない状況だ。他方、世界市場では中国や韓国が鋼材生産を増強し続けており、過剰生産の流れを止める手立てはない。実際、新日鉄住金は原料価格の動向などが不透明だとして、2015年3月期の見通しを公表しなかった。

   新日鉄住金は生産体制の効率化を進めているとはいえ、国内拠点が16カ所にのぼり、韓国内で2拠点に集約したポスコなどに比べ、固定費などの差がなお大きいと指摘される。高品質の鋼材をいかに低コストで生産できるか。復調したとはいえ、新日鉄住金の課題は明白だ。

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