開幕投手「ドタキャン」が不運の始まり?
そのダルビッシュ、くだんの試合のあと、16日のブルージェイズ戦に先発。この日も順調に相手を抑えていたのだが、味方打線も打てない。7回まで両軍ともに無得点の投手戦となった。
8回表、ブルージェイズは先頭から連続バント安打を決めてチャンスを作った。一死一、三塁となったところでダルビッシュは右翼線に長打を浴び2点を失い、好投もむなしく2敗目を喫した。
「(タイムリーは)いい球だったけど、いい感じで打たれた。目の前の打者に集中して投げた」
試合後はいつものように淡々として振り返った。しかし、勝ちゲームに勝てないというのは投手にとってつらい。
思えば、今シーズンのダルビッシュは運がないようだ。オープン戦の終盤、ワシントン監督から「開幕投手はダルビッシュ」とエースの座を与えられたのだが、首を捻挫して開幕戦はなし。来年の開幕戦に投げられるかどうか分からないだけに、数少ないチャンスを逸したのは痛い。次が例のノーヒットノーラン成るかで盛り上がりながら果たせなかった試合。しかも訂正付きという白けた結果だ。勝ち星が伸びず、順調なヤンキースの田中将大と対照的である。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)