人気男性デュオ「CHAGE and ASKA」のASKA(本名・宮崎重明)容疑者が覚醒剤取締法違反(所持)の容疑で逮捕されたニュースは、ファンだけでなく芸能界にも大きな衝撃をもたらした。
長年デュオを組んできたCHAGEさんは「頭の整理がつきません」とつらい心境を発表した。
相棒のCHAGE「ASKAの回復を待ってきましたが…」
報道などによると、ASKA容疑者の自宅からは覚醒剤や合成麻薬MDMAとみられる錠剤、薬物を使うための器具、さらに覚醒剤の使用を検査するキットも見つかったという。2014年5月17日に逮捕された容疑は、2014年4月に2度にわたって覚醒剤を所持していたというものだが、本人は否認している。ただし尿検査では陽性反応が出たとも報じられている。逮捕の翌日、身柄を東京地検に送られた。
「チャゲアス」をめぐっては2013年1月に、4年ぶりに再始動させるとの発表があったが、その年の6月になってASKA容疑者に「一過性脳虚血症」の疑いがあるとしてライブの延期が発表された。「相棒」のCHAGEさんは、今回の逮捕をうけ17日に所属事務所を通じて発表した声明の冒頭、「今日までASKAの回復を待ってきましたが、このような事態になり大変残念です」と無念さをにじませた。
本人と面識があるというテリー伊藤さんは5月18日放送の「サンデー・ジャポン」(TBS系)で、ASKA容疑者を「この人が本当にミュージシャンなのか、と思うほど素朴な男だった」と評した。また、時代に合わせて流行をつかみ、曲作りするタイプではなく、「自分の中のピュアな部分」で勝負する人だったのでは、と推測。確かに本人は、絶頂期だった1993年の「ゴールドディスク大賞」の会見で、「業界の流れは速く、アーチストはアンテナを立てていろいろな変化を敏感に感じ取り、創作するものだと言われるが、そうではなくあくまでCHAGE and ASKAらしく活動していきたい」とこだわりを語っていた。
またテリーさんは、4月に行われた玉置浩二さんのライブにASKA容疑者が飛び入りで参加し、大ヒット曲「SAY YES」をワンコーラス一緒に歌ったことに触れて、玉置さんのような「ハジけた」ミュージシャンと一緒に活動すれば「人生の価値観が変わるんじゃないか」と発言した。
逮捕前夜に「SAY YES」でエール送っていた
とは言え、現時点では「玉置 and ASKA」の実現は極めて厳しい。5月18日付のスポーツニッポン電子版によると、玉置さんはASKA容疑者逮捕の報に意気消沈し、「何も言うことはない。見守るだけ」と話すにとどまったそうだ。実は16日の公演では、ASKA容疑者の地元の福岡で「SAY YES」歌っていたという。カムバックを願って「エール」を送った翌日の逮捕に、つらさもひとしおだろう。
同じくASKA容疑者と交流のあった歌手・松山千春さんは5月17日、参加していた千葉県内でのチャリティーゴルフ大会で報道陣にコメントを求められ、困惑の表情を隠せなかった。覚醒剤の所持が事実であれば何があっても許されないが、一方で「そういう雰囲気はなかった。どこでつまずいたのか分からない」「できるものなら、オレが直接叱ってやりたい」と語った。同じ大会に参加していた歌手の郷ひろみさんは、一報を聞くと「ええっ」と大変驚き、続けて「ちょっと青天の霹靂(へきれき)なんですけど…」と話した様子を、5月17日放送の「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)が伝えた。
衝撃は芸能界のみならず、スポーツ界にまで広がった。5月17日付の日刊スポーツ電子版は、サッカーW杯・ブラジル大会の日本代表に選ばれた大久保嘉人選手に、報道陣が「ASKA逮捕」を伝えたところ「え、そうなの!」と声を上げたそうだ。「SAY YES」や「YAH YAH YAH」というヒット曲をリアルタイムで聞いていた世代にとっては、業界を問わずショッキングな出来事となってしまった。