「未知の世界で成長を続けるには、無理な拡大はしない覚悟が必要だ」
豊田社長は8日の記者会見で、「(世界販売)1000万台という未知の世界で成長を続けるには、無理な拡大はしない覚悟が必要だ」と強調。その一方で、「将来の成長に向けた種まきを積極的に進めたい」として、環境対応車などの研究開発投資を前期比495億円増の9600億円とする計画も明らかにした。
トヨタは常に堅めの業績予想を出すため、期中に予想を上方修正したり、実績が予想より上ぶれることが多いとはいえ、最高益を更新し、経営が「踊り場」にあるのも事実だ。端的に言えば、成長力のある世界一の中国市場をライバルメーカーのように取り込めず、市場が成熟した先進国中心のビジネスモデルから脱却できていないのだ。世界販売台数首位のトヨタも中国シェアは6位にとどまる。新興国の成長の果実を独フォルクスワーゲン並みに得られる日がトヨタに訪れるか、それが「踊り場」を脱するポイントと言えそうだ。