医者や患者にプラス?マイナス? 「混合診療」の大幅拡大は進むのか

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規制改革会議が「選択療養制度」の創設を提言

   ただ、現在でも「先進医療制度」として、100種類以上の高度先進医療で混合診療が認められている。これらは有識者会議が安全性や効果を審議して、厚労省が認めるもので、国が指定する医療機関で行われ、有効性や安全性が確認されれば保険適用となる。有効でないとされれば先進医療制度から外される。

   この制度があるにもかかわらず、新たな制度が提唱されるのは、審査に時間がかかり、治療できる医療機関が限られるため、すぐにでも新しい治療方法や薬を試したいという患者の切実な希望にこたえられないというのが理由だ。

   そこで規制改革会議は、混合診療を利用しやすくする方策として、「選択療養制度」の創設を提言した。患者と医師が合意すれば、医療機関を限定せずに混合診療を認めるというものだ。

   難病などと闘う患者にとっては有難い提案と思えるが、ことはそう単純ではない。医療は一般の商品やサービスと違い、消費者である患者より医師の方が圧倒的に専門知識を持つという「情報の非対称性」がある。そもそも医療に「絶対」はなく、どんな治療がどのような効果があるかは明確にできない場合も多いから、有効性や安全性の判断は最終的に医師に委ねるしかなく、効果や副作用を後で患者が検証することは容易ではない。

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