米ニューヨーク・タイムズ紙が、集団的自衛権行使容認に向けた動きを「民主主義的な手続きを完全に損なうものだ」と批判したことを受け、佐々江賢一郎駐米大使が同紙に反論文を投稿し、2014年5月15日付で掲載された。
NYタイムズは5月8日付で「日本の平和憲法」と題した社説を掲載。「安倍首相の最も重要な政治的目標は、第二次世界大戦を受けて米軍が書き、日本に押し付けた憲法を置き換えることだ」などと指摘した。
これに対して反論文では、社説を「日本の民主主義の伝統と現実をまったく考慮に入れていない」と批判。集団的自衛権行使容認に向けた動きは、国会での立法措置が前提になることを強調した。
菅義偉官房長官は5月16日の会見で、社説を「一方的な評価に基づく、著しく誤った内容」と改めて批判。
「日本政府の対応ぶりや国内の議論をよくご覧になってから執筆していただきたい」
と注文をつけた。