中国が南シナ海で実効支配強めるのはなぜか? 各国反発、孤立しても強硬姿勢崩さず

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中国外相「自らの正当な権益を守るという立場は強固で明確で不変」

   この問題をめぐっては、中国は完全に孤立状態だ。東南アジア諸国連合(ASEAN)は5月10日にミャンマーで開いた会議で、「事態の悪化に深刻な懸念を表明」する緊急声明を発表し、菅義偉官房長官も、5月15日の記者会見で

「力による一方的な現状の変更は慎むべき。お互いに話し合いで解決すべき」

と中国側に自制を求めている。米ホワイトハウスのカーニー報道官は5月14日の会見で、脅しではなく平和的な対話を通じて問題を解決する重要性を強調した。

   このように各国が足並みをそろえる中でも、中国は強硬姿勢を崩していない。中国外務省の華春瑩副報道局長が5月14日の会見で明らかにしたところによると、王毅外相はインドネシアのマルティ外相との電話会談の中で、

「中国企業は、中国の西沙諸島と関連する区域で通常通りの作業をしていた。これは10年前から始まったことだ」

と話し、緊張状態を作り出した原因はベトナム側にあると主張。

「中国が自らの正当な権益を守るという立場は強固で明確で不変だ」

と断言したという。ジョンソン南礁についても、華報道局長が「自らの主権の範囲内で建設することは正常なこと」だと述べた。

   この強硬姿勢の背景には諸説あるが、

「習(近平)政権は最高指導部が訪中した自民党幹部と相次いで会談するなど日本との関係改善を模索し始めた。それに伴い、対外強硬派の矛先を日本から南シナ海へと移す必要があった、と(編注:中国)共産党関係者は話す」(2014年5月15日、日本経済新聞)

といった見方も出ている。

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