大統領就任前に少なくとも2回会談した「旧知の仲」
首相動静で確認できる限りは、萩生田氏はAPEC首脳会議以降、12月18日、24日、1月24日、3月19日、31日、4月11日の少なくとも6回にわたって安倍首相と直接面会している。このいずれかで、安倍首相が朴大統領の印象を萩生田氏に伝えたとみられる。
また、真偽は全く不明だが、週刊文春の5月22日号では、「安倍首相の側近」が、
「朴大統領は会話の最後になると、眼に涙を浮かべながら『こうして親しく話したことは二人だけの秘密にしてください』と口止めするそうです」
ともコメントしている。
実は安倍首相と朴大統領は「旧知の仲」でもある。安倍氏は自民党幹事長時代の04年9月、公明党の冬柴鉄三幹事長(当時)とともにソウルを訪問し、野党ハンナラ党の党首だった朴氏と会談している。安倍氏は当時、中央日報のインタビューに対して、
「物静かで落ち着いた方だが、信念が強いと感じた」
と朴氏の印象を語っており、一定の評価をしているともいえる。
06年3月には朴氏が東京を訪れ、官房長官を務めていた安倍氏と会談している。仮に、過去の会談で2人の間にある程度信頼関係が築かれていたとすれば、朴大統領の「親日説」も真実味を帯びてくることになる。