02年に報酬規程が撤廃され、広告が解禁された
価格破壊の土壌になったともいえるのが、10年以上前の2002年に行われた税理士法の改正だ。この改正では、税理士会による報酬規程が撤廃され、広告も原則自由化された。これまで横並びだった業界が、自由競争を始めた年だともいえる。
08年秋のリーマンショックが、この競争環境を激化させた。弁護士や公認会計士の資格を持っていれば、自動的に税理士の資格が付与されることが知られている。リーマンショックにともなって、大手の監査法人が採用を大幅に絞り込み、公認会計士が税理士に「転進」するケースが続出。その結果として、ここ数年で税理士の登録者数が増えている。全国の税理士登録者数は14年3月末時点で7万4273。08年度の登録者数が7万1177なので、5年ほどで4%ほど増加した計算だ。
これに加えて、税理士にとって主な顧客であるはずの中小企業は減少傾向だ。競争環境は厳しくなるばかりで、さらに価格破壊が進む可能性もある。