福島県教委「鼻血の相談は上がってない」
「大阪でのがれき処理が原因で鼻血を出す人が続出したら、福島の人たちはみな大変なことになってしまいます。きちんと調査してデータを取ってみないと、原発事故の影響か分からないと思いますよ。チェルノブイリの子供たちが日本に来て鼻血が出なくなったのも、転地してアレルギー性鼻炎がよくなっただけの可能性があるわけですから」
ただ、山田真さんは、漫画が問題提起したことには一定の意義があるとした。
「福島のことをタブー視して、マスコミが取り上げようとしません。それで解決したと思われてしまいますが、全然そんなことはないです。現地の人たちは、何もしてくれないとあきらめています。それは、決していいことではありませんね」
鼻血を出す割合については、文科省や厚労省によると、都道府県ごとなどの調査結果はないという。小学1年生が花粉症やアレルギー性鼻炎などの疾患にかかった割合は、文科省が2013年に行った調査では、福岡14.4%、福島18.2%、北海道12.0%だった。これは山田さんの調査結果と、関連性は見られないことになる。千葉が20.7%もあり、福島が特別高いわけでもなかった。
福島県教委の健康教育課では、「震災直後に鼻血の人が増えたとのうわさが流れたことはありますが、これまでに学校から鼻血が出るという健康異常の相談は上がってきていません」と言っている。