環境大臣や官房長官が口をはさむ
「美味しんぼ」の描写に対しては、9日に石原伸晃環境相が「理解できない」と不快感を示したり、菅義偉官房長官が12日の記者会見で「科学的な見地に基づいて正確な知識をしっかりと伝えていくことが大事だ」と強調したりと、「国レベル」で注目される問題になっている。
こうした流れを受け、タレントの伊集院光さん(46)は美味しんぼ騒動が「コミック規制」につながってしまうことを危惧する。12日放送のラジオ番組「伊集院光 深夜の馬鹿力」(TBSラジオ)の中で、伊集院さんは「僕の被害妄想、誇大妄想かもしれないけど」と前置きした上で、「政治の人たちが色んな発言をしていく中で変な盛り上がり方をすると、漫画で言っていいことの(規制)話になりかねない」と話した。
また、政治家に対しては「潜在的に皆が『不安なんだ』っていうことに関して、漫画に何か言うよりは、そっち(編注:不安)を取り除くにはどうしたらいいんだってことのほうをする(考える)仕事でしょって思うんだけど」「特に国の政治の人に関していうと『なんで皆があれを読んでざわめくのか』みたいなことの責任の一端みたいなのはちょっとある気がする」などと話した。
美味しんぼは現在「福島の真実編」を連載しており、福島第一原発を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出すといった描写(4月28日発売号)や、本人役で登場する井戸川克隆・前福島県双葉町長が「私が思うに、福島に鼻血が出たり、ひどい疲労感で苦しむ人が大勢いるのは、被ばくしたからですよ」と語る描写(5月12日発売)などが物議を醸している。スピリッツ編集部は公式サイトに「鼻血や疲労感と放射線の影響を関連づける発言が出てまいりますが(略)その因果関係について断定するものではありません」との見解を掲載している。