東南アジアや中東市場も視野
中国は都市開発に伴う超高層ビルの建設ラッシュが続いており、世界のエレベーター市場の6割を占めるまでになっている。エレベーターは納入だけでなく、「保守管理も含めた取引になるケースが多く、長期にわたって利益を確保できる」(業界関係者)というのもメーカーには大きな魅力。このため、中国でシェア15%の日立に東芝、三菱電機を加えた国内3社は高速化、大容量化を売りにシェア拡大を競っている。
とはいえ、世界一の市場めがけて欧米メーカーも参入に積極的で、競争は激しさを増している。業界では「主戦場の中国で受注競争に破れれば生き残るのが難しくなる」(メーカー幹部)と危機感を募らせる。同時に、経済成長でビル建設が見込まれる東南アジアや中東も有力市場となりつつあるとあって、メーカー各社は中国の「次」を見据えて受注獲得に向けた動きを活発化させている。