東京電力の家庭向けの電気料金が2014年6月、沖縄電力を抜いて全国で最も高くなる。電力10社が公表する標準家庭の1か月の料金を朝日新聞が集計して5月12日に報じた。東電の6月分は、前月より26円高い8567円。9円下がった沖縄電力の8558円を上回った。
沖縄電力の電気料金は離島のため発電や送電の費用がかさみ、また原発がないことから、これまで本土より1~2割高かった。
福島第1原子力発電所の事故前の2011年1月をみると、発電の98%を火力でまかなう沖縄電力は7270円と全国で最も高い一方、原発比率が約3割だった東電は、沖縄電力より14%安い6257円で電力10社のうち、3番目に安かった。
東電の電気料金は、原発事故前より37%上昇したことになる。
また、電気料金の地域間格差も広がっている。電力各社が4月28日に発表した燃料費調整制度に基づく6月分の電気料金(標準家庭)では、最も高い東京電力(8567円)と最も安い北陸電力(7167円)の差は1400円だった。原発事故前の料金(沖縄電力を除く、9電力)の差は531円にとどまっていた。
原発を代替する電源の違いなどで上昇幅に差が生じているとみられる。