「ノーヒットゲームを逃した世界記録を作るか…」
ダルビッシュは昨年の開幕第2戦で、アストロズ相手に9回2死まで走者ゼロ。あと1人抑えればパーフェクトゲームだったのだが、27人目の打者に111球目を安打され、一生に一度あるかどうかの大記録を逃している。
「ノーヒットゲームを(あと1人で)逃した世界記録を作るか…」
よほど悔しかったのだろう、自嘲気味に苦笑いしながらダルビッシュは言った。大リーグには三度逃した投手がおり、その投手は4度目のチャンスをモノにした。さすが歴史の古い大リーグで、なまじのことでは頂点に立てない。
同じ日、ヤンキースの田中もブルワーズ戦で登板、失点しながら粘って投げ5連勝をマークした。
米国のマスコミはこの日ばかりはダルビッシュの扱いが大きく、日本人大リーガーの話題を独占していた田中をしのいだ格好。ダルビッシュのような快投を見せないと、161億円投手の田中には勝てないということなのだろう。
その田中はダルビッシュのピッチィングを高く評価するコメントを出している。
「僕はあんな圧倒的な投球はできないですね。泥臭く点を取られないように抑えていきます。でも(ダルビッシュは)記録を作ると思っていました」
マリナーズの岩隈を加えた先発3人が話題を独占しそうな感じである。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)