レンジャースのダルビッシュ有が2014年5月9日、あとアウト1つのところで安打されノーヒットノーランを逃した。
昨年も同じ状況で完全試合を逸しており、「悲運の男」といわれそう。
「安打」から「失策」に判定変更したが…
レッドソックス戦の9回表二死。ここまで得点、安打を許していない。出した走者は失策による1人のみ。迎えた打者は28人目のオルティズ。守備は一、二塁間に3人が守ったが、カウント3-1からの打球は、その狭い二遊間をゴロで抜けた。
「投げる球はストレートしかなかった。球数は多くなっていたし、打たれると思っていた。ヒットされてもいいと思って投げた」
ダルビッシュはそう振り返った。8-0と大差をつけていたこともあって、記録が途絶えたところですかさず監督がマウンドに行き、交代を告げた。
実は、失策出塁は判定が変わるという微妙なものだった。打者オルティズの打球は、右翼手の前方に上がり、深追いした形の二塁手がグラブを出したのだが、それには触れずグラウンドに落ちた。前進してきた右翼手は捕球態勢に入っていたようには見えなかった。
「H」(安打)―「E」(失策)
こう判定が変更になったのである。理由は右翼手が捕球できる打球、ということだった。出塁には違わないのでビデオ判定(チャレンジ制度)に持ち込まれなかったが、シーズン終盤で打者が首位打者争いをしていたらチャレンジしただろう。日本なら間違いなく「安打」のプレーで、判定変更にダルビッシュが驚いたのではないか。