富士通が「半導体工場」のレタスを発売 腎臓病患者でも生で食べられる!

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   腎臓病を患っている人でも食べることができる、低カリウムのレタスが発売された。

   そのレタスをつくっているのは、なんと電機大手の富士通。福島県会津若松市の半導体工場を転用し、塵や雑菌がほぼ存在しないクリーンルームで栽培した。

「半導体からレタスへ」工場が変身

半導体工場が「やさい工場」に変身!(画像は富士通「会津若松Akisaiやさい工場について」ページ)
半導体工場が「やさい工場」に変身!(画像は富士通「会津若松Akisaiやさい工場について」ページ)

   「半導体からレタスへ」――。工場が驚きの変化を遂げた。富士通は、半導体工場を転用した閉鎖型大規模植物工場の「会津若松Akisaiやさい工場」で栽培した「低カリウムレタス」を、「キレイヤサイ」シリーズの第1弾として2014年5月7日に発売した。

   通常のリーフレタスと比べて、カリウムの成分が100グラムあたり100ミリグラム以下と低く、野菜に含まれるカリウムが気になる人、たとえばカリウムの摂取制限のある透析患者、腎臓病を患っている人でも、生で食べられるのが特徴だ。秋田県立大学の特許を応用して量産化に成功した。

   また、硝酸態窒素を100グラムあたり75ミリグラム前後と低くしたことで、苦味を抑え、甘さを引き出した。それにより、苦味が苦手な子どもにも食べやすい野菜となった。

   さらに、クリーンルームで栽培しているため、10度以下の冷蔵保存で2週間鮮度を保つことができるのもポイント。農薬も使っていない。

   価格は2株90グラムで450~500円程度と、ふつうのレタスに比べると割高ではあるが、健康によい野菜として、「安心・安全に食べられる」魅力がある。

   富士通は2013年10月から、低カリウムレタスの栽培を開始。塵や雑菌がほぼ存在しないクリーンルームを活用し、種まきから育苗、定植、収穫まで行っている。

   あわせて、同社が提供する「農業クラウド」を活用。栽培データを収集・分析して、肥料の量などを最適化するほか、流通企業の需要に応じた生産調整なども実施する。

   低カリウムレタスだけでなく、「健康のよい成分野菜を、ユーザーのニーズを考えながらつくっていきたい」と話し、今後はまず他の葉物野菜への拡大を進める。

   販売ルートは生活共同組合コープあいづをはじめ、全国の医療機関など法人向けを中心に順次拡大していくが、富士通は「スーパーなどを通じて、早く一般の方にも食べていただきたいと思っているのですが、なにしろ野菜の販売は初めてのことで、現在販売ルートを開拓中です」と話している。

   2016年度には、低カリウムレタスを含めた「キレイヤサイ」シリーズで、4億円の売り上げを目指している。

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