「ユーザーを『育てて』顧客化することを狙う」
「自前の放送」を通じて、顧客に対してダイレクトにメッセージを伝えたり、継続的な関係をつくり、絆を深めたりする「オウンドメディア」を活用する企業は増えている。
ツイッターやフェイスブック、Youtubeなどのソーシャルメディアを利用する消費者が急増していることがあるが、企業のマーケティング活動にとっても、「顧客と直接的につながれる」メリットが大きい、とされる。
2012年12月に、オンラインメディアのイードと三越伊勢丹ホールディングスの共同出資によって誕生した「FASHION HEADLINE」というファッションニュースメディアも、オウンドメディアの一つ。このほか、大手企業では日産自動車や資生堂などが積極的といわれる。
SevenRichEngine(SRE)が運営する、いまどきのオウンドメディアまとめサイト「Owned Media.me」には、たとえば「食物アレルギーネット」を運営する日本ハムや「BAR‐NAVI」のサントリーホールディングス(HD)など、約80社が集まっている。
SREの阿部雄太社長は、企業がオウンドメディアに注目している背景について、「広告が以前ほどクリックされない、広告経由での顧客獲得競争が激化している(費用が上がっている)ことから、検索エンジンやソーシャルメディア経由でユーザーに自社サイトを見つけてもらって顧客獲得につなげる必要が出てきていることがあります」と説明。また、ユーザーがほしい情報を段階的に用意することで、「購入フェーズまでユーザーを『育てて』顧客化することを狙っています」という。