2010年の国勢調査と今とでは状況が違いすぎる
確かに住宅情報サイト「スーモ」の「2014年版 みんなが選んだ住みたい街ランキング 関東版 ―20代~40代編―」の統計を見ると、池袋は総合3位で中目黒、自由ヶ丘を上回っている。ちなみに、シングル層は2位、ファミリー層は5位と人気だ。13年3月には東京メトロ副都心線が開通し、東武線、西武線などを加え5社相互乗り入れと交通がさらに便利になった。アニメイト本社も移転してきたためオタク層の熱い視線も受けているのだという。
それではなぜ消滅の危機だと名指しされたのか。区の企画課では「不明です」と答えた。ただし可能性があるとすれば、今回の研究発表の起点になったのは2010年の国勢調査であり、この頃は人口が減少していた時期だった、という。池袋に外国人が急に増え、治安が心配だとか、池袋周辺は不良行為少年たちのたまり場だと騒がれ、池袋を舞台に抗争が繰り広げられる小説やドラマ、マンガやアニメも多く発表されていた。区の評判はあまりよくなかったのだ。
しかし、その後人気は急上昇しそれまで人気ランキングに登場していなかった池袋がここにきて上位に顔を出すようになった。区の人口も05年の約25万1000人を底に、14年は約27万1000人と増えている。
「子供さんが増えることで新たに待機児童の問題も起きていますが、保育園を増やすなどの取り組みを進めていますし、これからもっと人気のある区にしていくための努力をしています」
と担当者は話している。