韓国人大学教員が忌避していることを理由にテレ朝系ワイドショーから出演をキャンセルされたと、独立総合研究所社長の青山繁晴さんがブログで明かした。ネット上では、「議論で勝てないからではないのか」などと憶測が流れる騒ぎになっている。
「なかなか興味深いドタキャン」。青山繁晴さんは、2014年5月3日のブログをこんなタイトルで始めた。
百田尚樹さん「どこの国のテレビ局だ!!」
その記事によると、青山さんはこの日夕、テレ朝系「サンデースクランブル」側からキャンセルの連絡があったと自らの秘書から伝えられた。翌4日に番組で同席する予定だった韓国人の女性大学教員が青山さんを忌避しているというのが理由だったといい、代わりに番組側から電話取材の依頼があった。
これに対し、青山さんは、それならば番組に参加はせず、電話取材にも応じないことを決めた。その後、番組スタッフから電話で取材依頼があったが、青山さんは、「テレビ局に編成権がありますから、どうぞご勝手に」と突っぱねた。番組プロデューサーからも「たまたま先に出演を依頼していた」「お断りするわけにいかず、このようになってしまった」との説明があったが、やはり電話取材を断った。
女性教員は、大手芸能プロに所属しており、青山さんは、今回のこともテレビ局と芸能プロとの結びつきが深いから起こったのだろうと推測していた。番組内容は、無残な旅客船事故をきっかけに韓国を考えるというテーマだったという。
このブログは、ツイートが7日夕現在で3000ほども付く反響を呼んだ。多くは、女性教員やテレ朝に批判的な意見になっている。NHK経営委員で作家の百田尚樹さんは、「いったい、どこの国のテレビ局だ!!」とツイッターで怒りを露わにした。自らもテレ朝から以前に「日韓問題」の番組出演依頼を受けたが、反日の出演者が並んでいるのを名簿で知り、出演を断ったことがあるとも明かした。
「テレビ局が決めることで、お答えする立場ではない」
青山繁晴さんがキャンセルになった2014年5月4日は、東海大准教授の金慶珠(キム・キョンジュ)さんが「サンデースクランブル」に出演している。このことから、女性教員とは金さんのことを指すとみられている。
この日の番組では、沈没事故の背景に行政と業者との癒着があるとされたが、金さんは、それよりも制度上の不備が大きいと指摘した。漫画家の黒鉄ヒロシさんが韓国の歴史や文化について言及すると、単純化しすぎることに疑問を呈した。
金さんは、青山さんとは討論番組で度々顔を合わせており、慰安婦問題などで議論を戦わせている。テレビ大阪で13年1月12日に放送された「たかじんNOマネー」では、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が就任するに際して、激しい言い合いにもなった。青山さんが「皮肉な笑いをなさっているけど、冗談じゃないよ」と言うと、金さんは「別に皮肉で笑っているつもりは」と反論するなどしていた。
今回は、青山さんを忌避していることを金さんがテレ朝側に伝えたというのは本当なのか。
所属事務所のホリプロでは、金さんのマネージャーが取材に応じ、テレビ局には番組にどのようなスタンスで臨むかを話し、金さんもスタッフとの打ち合わせの中で自らの立場を説明したことは認めた。しかし、マネージャーは打ち合わせには立ち会っておらず、青山さんの話が出たかは分からないという。
青山さんの処遇については、「テレビ局が決めることですので、私どもがお答えする立場ではないです」とした。
ブログの内容については、「抗議するほどのことではありませんが、少し事実と違うと思います」としている。どう違うのかは明らかにしなかった。
ただ、意見が合わないことについて、「議論が白熱するのはよくあることで、特別なわけではありません。たかじんの番組もそれで終わる話で、今後もご一緒することがあると思います」と言っている。
テレビ朝日の広報部では、取材に対し、「この番組に限らず、番組の制作過程につきましては、従来からお答えしておりません」とコメントした。