GREEの社外取締役を務める夏野剛さんが、子ども向けゲーム「妖怪ウォッチ」のおもちゃについて「レア感を煽る」商法であると批判した。
ソーシャルゲームが叩かれたのとは対照的に、妖怪ウォッチは好意的に捉えられていることに文句を言っているらしい。ネットでは「お前が言うな」「ソシャゲーの方が悪質」などの声が寄せられている。
ソーシャルゲームと「基本構造はあまり変わらない」
2014年5月5日放送の「とくダネ!」(フジテレビ系)は、ニンテンドー3DS向けゲーム「妖怪ウォッチ」について特集した。テレビアニメや漫画などの多メディア展開が行われ、小学生らの間でブームとなり、「第2のポケモン」とも呼ばれるほどだという。番組では主人公が持つ妖怪発見用の時計型アイテム「妖怪ウォッチ」を再現したおもちゃが人気で、品薄状態になっていることを取り上げた。
ウォッチ本体に専用メダル(2枚入り税抜180円)をセットすると、作品中で妖怪を召喚するときの音楽が流れるという仕組み。キャラクターの描かれたメダルは何種類もあり、購入して袋を開けるまで中身はわからない。
番組VTRには、キラキラと光る加工の施されたレアなコインを欲しがる子どものため、在庫のある店舗を探し回る父親が登場した。通常の倍以上の値段でネット転売もされているが、父親は自分の手で定価購入することにこだわった。長時間探してようやく見つけることができて、レアなメダルが当たってよろこぶ子どもの姿を見て満足げだった。
スタジオの出演者は子どものために労力を惜しまない父親の姿を称賛する意見が多かったが、コメンテーターとして出演した夏野さんは、
「なんで親が一緒になってやってるか考えなきゃならないですね。僕も子供の頃プロ野球カードを集めていて、自分で貯めたお小遣いでちょっとしか買えなくて、お菓子を捨てたりすると怒られるから食べなきゃいけなくてとか、これ親がやっちゃったらね・・・」
と否定的だった。
さらに、「インターネットだとソーシャルゲームが射幸心を煽るっていってものすごく問題になった時期ありますよね。基本構造はあまり変わらないと思うんですよ。だからメーカーのほうがもうちょっと子供の努力で手に入るとか、そういうのをやってほしいと思います」とその手法を批判した。
「物がないのにアイテム課金してるソシャゲーの方がよっぽど悪質」
同日、夏野さんはツイッターでも、
「妖怪ウォッチをはじめとするレアカードをゲットさせる子ども向けのポケモンビジネスをやっている企業は少し考えた方がいいと思う。企業がレア感を煽り、親がカードゲットの為に奔走するのはおかしい。ソシャゲと変わらない。ネットだと悪でリアルはいいのか」
と改めて強調した。
しかし、レアカードを「ガチャ」で購入するソーシャルゲームでGREEは成長してきた。ネットでは「でもそれでお前飯食ってんじゃん」「物がないのにアイテム課金してるソシャゲーの方がよっぽど悪質」といった意見が相次ぎ、「要するに、ソシャゲは規制かかりまくりのに、ポケモン・妖怪ウォッチに規制がかからないのがおかしい!って事が言いたいんでしょ?ただの妬みじゃん」という声も出ている。
批判に対して夏野さんは「ソシャゲは未成年対策かなりやってるが、カードゲーム系は未成年狙い」「成年が何にお金を使っても自己責任だが、子どもは違う」と反論している。