高齢者が「昔ながら」の方法を好む?
ニューヨーク・タイムズ紙は、「高齢化社会が絶対確実な方法に執着することが、ファックスへの固執に象徴される」とし、英Global Lingoも「技術の進歩についていけない高齢者が昔ながらの方法を好むことが日本企業のファックス依存の要因ではないか」とみている。ファックスが「日本の『ガラパゴス化』につながっている」との指摘もあるし、もちろん非効率で、紙資源のムダもある。
Global Lingoによると、手書きの履歴書や事業計画書・企画書は、先進国の中でも日本だけという。
ただ、「日本人は日本語をこよなく愛する」ため、無機質で事務的な電子メールの代わりに手書きのファックスを送ることに、こだわっているのではないか、とGlobal Lingoはいう。「ビジネスの基本は人間関係であり、可能な限りビジネスに人間性を残そうとしている」と、好意的だ。
また、米大手ソーシャルニュースサイト「レディット」にも、米国の保険会社や銀行でも「ファックスは健在。他企業でもファックスに頼っているところはたくさんある」と、「時代遅れではない」との声が寄せられていた。
決して批判的なことばかりではないようだ。
海外では、ファックスのメリットを、「電子メールと異なり、法的な文書になる」点を評価しているところもある。そう考えると、日本でも昔からの「ハンコ」文化が色濃く残る企業や、行政とのかかわりが深い企業ほど、ファックスを多用しているかもしれない。
日本でもインターネットでは、
「使いなれてるし、壊れないからだろう。 電子データはPCやられたらおしまいだからな」
「FAXは1対1だし、相手が受信したのがわかるのがいい。電子メールは転送されるからな」
と、前向きな声も寄せられている。