フィギュアスケートのルールについて、国際スケート連盟が2014年6月にも変更する見通しが報じられている。それによって、浅田真央選手(23)の進退にも影響するのではないかというのだ。
フィギュアの採点では、ジャンプなどで高難度の技にチャレンジしていることが正しく評価されていない――ネット上などでは、こんな不満がいつもくすぶっている。
韓国では、「キム・ヨナルール」を望む声
そんな中で、国際スケート連盟が2014年4月28日、ジャンプの採点を厳格化する新ルールを来シーズンから導入すると発表したと報じられた。
報道によると、新ルールでは、ジャンプで踏み切り違反とみなされると基礎点が70%に抑えられ、さらに回転不足を取られると、半分になる。また、ショートプログラム(SP)で規定の回転数を満たさないとき、SPとフリープログラムで1回転半未満のときは、ともに無得点となる。今シーズンは、羽生結弦選手(19)がフリップで、浅田真央選手がルッツで踏み切り違反を取られたことがあったとしている。
一方、韓国メディアでは、ソチ五輪で自国のキム・ヨナ選手(23)の採点問題が出たことがルールに影響したとの見方を報じた。これで、ジャンプに勝負をかける浅田真央選手のようなタイプは不利になるとし、「キム・ヨナルール」だとも指摘している。
こうした報道に対し、日本のネット上では、不満が出ており、「スポーツなのに無難に押さえたら良いとは」「アイスダンスとの区別がつかなくなる」といった声が相次いだ。
本当にこれで、高難度のジャンプが評価されにくくなってしまうのか。
日本スケート連盟では、取材に対し、担当者がこう説明した。
むしろ浅田真央選手らには有利に?
「今回は、採点のルールではなく、ルールのガイドラインを変えたということです。それは、技術委員会レベルで採点の指針になるものです。ルールそのものは、国際スケート連盟の総会でないと変えられません。採点の仕方は変わらないですので、厳格化とは一概には言えず、ルールで明確でなかった部分を明確化したということです。むしろ、いいことだと考えています」
ガイドラインは、少なくとも2年に1回は変わるので、韓国で4年後に行われる平昌五輪までにはまた変わるともしている。
ただ、国際スケート連盟の総会が2014年6月ごろに予定されており、そこでは様々なルール変更が提案されていることを担当者は明らかにした。
総会では、3回転ジャンプの種類を増やすとボーナス得点が出る変更も提案されていると報じられており、その場合、浅田真央選手らには有利になるとみられている。また、SPの廃止も提案されているといい、フリーだけになれば、年長選手には有利になるともいう。
現役続行について「ハーフハーフ」としている浅田選手は、ルール変更を見て進退を決めるのではないかと報じられている。なお、変更は投票で決まるため、日本スケート連盟でもどうなるか分からないそうだ。