TPP「実質的基本合意」していた 読売やTBS報道は誤りなのか

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米側は「重要なヤマ場を超えた」

   ただ、補選では与党候補が辛勝したこともあって、「実質合意」発表に向けた地ならしが進んでいるようにも見える。米国側の動きも、そのひとつだ。米通商代表部(USTR)のフロマン代表は5月1日に行われた上院財政委員会通商政策の公聴会で、日米協議は「重要なヤマ場を超えた」と述べ、成果を強調した。

   この発言に対して、5月2日朝の官房長官会見では

「この意味するところは、日米で実質合意したということなのか」

と質問が出た。これに対して菅義偉官房長官は、一応は政府の従来の見解を繰り返した。

「これまで、甘利大臣や私が繰り返し述べているように、先般の日米協議では、重要な課題について進展があり、交渉は前進しているといえるが、大筋合意まではいっていない。まさに日米の共同声明にあったように、前進する道筋が特定できたということ」

   ただ、その表情は苦笑いしているようにも見え、フロマン代表の発言については、

「私たちが述べた見解と基本的に同じだと思っている」

と付け加えた。

   TPPをめぐっては、5月以降、ベトナムでの首席交渉官会やシンガポールでの閣僚級会合が予定されている。これらの会合の中で、「実質合意」の真相が明らかになる可能性もありそうだ。

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