いわゆる従軍慰安婦をモチーフにした少女の像や記念碑が韓国のみならず米国でも設置されている問題で、首都のワシントンDCでも設置に向けた構想が具体化していることが明らかになった。
米国をはじめとした欧米諸国では、日本側が論点として主張する「政府が直接強制連行を行ったか」にかかわらず、一般的な人権問題だとして日本に批判的な論調が相次いでいる。記念碑がワシントンにも設置されれば象徴としてのインパクトは大きく、韓国側のロビー活動に有利に働くのは確実だ。
「計画が日本にわかれば、またロビー活動を繰り広げるなど妨害工作を展開することは明らか」
慰安婦像はすでにカリフォルニア州のグレンデール市に設置されており、8月にはミシガン州デトロイトでも除幕式が行われる予定。「キリム碑」と呼ばれる慰安婦の記念碑は、さらに多くの都市で設置されている。米国では、10年にニュージャージ州バーゲン郡パリセイズパークの図書館で韓国系団体が初めて設置したのを皮切りに、13年3月にはバーゲン郡当局も記念碑を設置。12年1月には、ニューヨーク州ロングアイランドのナッソー郡にあるアイゼンハワー公園にも建てられている。
聯合ニュースが14年4月29日に韓国人団体の話として報じたところによると、ワシントンの韓国人団体では12年から設置に向けた資金調達を進めており、記念碑の製作に使う石材も購入済みで、14年5月にも起工式を行いたい考え。起工式にはワシントン近郊に在住の韓国系住民が多数参加するのは確実で、資金集めをはじめとした具体的な動きが加速することになりそうだ。
ハンギョレ新聞によると、
「計画が日本にわかれば、またロビー活動を繰り広げるなど妨害工作を展開することは明らか。徹底して秘密を守りながら計画を進めてきた」(ワシントンの韓国人団体幹部)
という念の入れようだ。同紙で指摘されているように、日本がどの程度設置阻止に向けて努力の余地があるかは未知数だ。
「大日本帝国軍によって性奴隷状態になることを強いられた(forced into sexual slavery)」
仮に記念碑が設置された場合、韓国系以外の地域住民に対して、慰安婦問題に関する一方的な印象を与える可能性がきわめて高い。例えば13年8月にバーゲン郡が設置した記念碑に刻まれている文章は、以下のようなものだ。
「第二次大戦中とそれ以前から、大日本帝国軍によって性奴隷状態になることを強いられた(forced into sexual slavery)韓国、中国、台湾、フィリピン、オランダ、インドネシアの数十万人の婦女子を記念して」
各地の記念碑の文章は似たようなものなので、ワシントンDCでも同様の文章が掲げられるとみられる。首都にこのような文言が公然と掲げられるようになれば、米市民の対日感情が悪化する可能性もありそうだ。