空き家対策、政府や自治体が知恵絞る 全国に757万戸、「特別措置法案」提出も

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秋田県大仙市では5棟を代執行

   こうした深刻な事態に、まず対応したのが自治体で、総務省のまとめでは、昨年秋時点で約270の自治体が空き家対策の条例を制定している。東京都足立区は、2011年11月、老朽家屋に解体や回収を義務付ける都内で初の条例を制定。解体費用の助成制度(当初は解体費用の50%・50万円まで、2013年1月から同9割・100万円まで)も設け、これまでに30棟以上を解体した。2010年に全国で初めて「空き家対策条例」を施行した埼玉県所沢市のように、解体命令に応じない所有者の氏名を公表する規定を盛り込んでいる自治体も多い。

   強硬策に出るところもある。秋田県大仙市は2012年1月施行の条例に解体費の助成と共に、助言・指導、勧告、公表、命令を経て、従わない場合に「代執行」できるという規定を設けた。豪雪地帯で、雪害対策の緊急性が高いという事情があり、実際に、同年3月、特に危険な5棟について代執行に踏み切った。同様の規定を盛り込んだ条例は長崎市、仙台市など各地にある。

   他方、「ソフト路線」で、街づくりなどとの連動した動きもある。富山市では、引きこもりがちな高齢者の外出を支援し、健康寿命を延ばそうと、空き家を利用して高齢者の触れ合いの場を創出する「高齢者サロン事業」の第1号が同市若竹町に4月にオープンしたばかり。

   神戸市長田区の空き家(延べ約175平方メートル)はNPO法人が借りて、アーティストらが暮らしながら創作活動をして芸術活動の拠点として活用する取り組みが3月から始まった。東京都文京区本駒込でも地元町会が中心になって空き家を高齢者や子育て中の母親が集うサロンにしている。このほか、アパートの空き室にデイサービスセンターを開設(世田谷区)、ルームシェア方式で家賃補助による学生移住促進(横須賀市)など、多様な取り組みが各地で行われている。

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