専門家を都道府県に配置することも重要だ
ただ、実際に効果を上げるには、狩猟者だけでなく、多くの人材の確保が必要というのが関係者に共通する見方。例えば、日本自然保護協会は、(1)捕獲圧を高めることによって、ツキノワグマやその他希少動物の錯誤捕獲の増加や、鉛弾の増加に伴う猛禽類などへの鉛中毒の増加が懸念される(2)民間事業者の事業を調整し、地域全体の野生動物管理を監督する行政官の野生動物管理の知識と経験が必須――などとして、認定事業者を監督する専門家を都道府県に配置することを要望している。こうした人材は一朝一夕で育つものではなく、息の長い取り組みが必要だ。
そもそも荒れた里山の環境を回復し、耕作放棄地を有効に活用するなど、長期的に生態系全体の保全を考慮して山の環境を整えていくことが重要になる。そのためにも、野生動物の分布状況の調査など科学的なデータの蓄積も欠かせない。
法律という「仏」ができたとしても、それに「魂」をいれるには、課題が山積している。