野生生物の保護中心から生息数「適正管理」 シカやイノシシなど駆除しやすくする法改正

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ハンター人口減で捕獲伸びず

   なぜシカは増えたのか。明治から昭和初期にかけ、乱獲で生息数が激減したことから、戦後は一貫して保護政策がとられ、分布エリアが拡大。戦後の造林で多くの木が伐採され、餌となる下草が増えた一方、オオカミなどの天敵も絶滅した。さらに、近年は農山村が過疎化、高齢化で耕作放棄地が広がってシカなどの生息域が広がる傾向に拍車がかかるほか、温暖化により積雪が減り、子ジカが冬に生き延びやすくなったことも要因と指摘される。

   一方、2011年度のシカの捕獲数は北海道を除き27万頭にとどまる。ハンターが減っていることが大きな要因で、1975年に狩猟免許を持つ人は51万8000人いて、年齢層も30~40代と若い人が多かったが、2010年には20万人以下に落ち込み、しかも60歳以上が多数を占め、高齢化は深刻だ。

   改正案は、数が著しく減少して保護すべき鳥獣と、数が著しく増加し又はその生息地が拡大している鳥獣の2種類に整理し、後者については都道府県が鳥獣の管理計画を定めるとしている。その上で、一定の技能を持ち、適切な安全管理ができる専門の「鳥獣捕獲等事業者」を都道府県知事が認定する制度を創設し、高い技術を使った効率的な捕獲を促す。安全が確保される場合に夜間の猟銃使用を認め、また、住宅地でも麻酔銃による捕獲を可能にする。網や罠を使った狩猟の免許の取得年齢を20歳から18歳に引き下げることなども盛り込んだ。特に鳥獣捕獲等事業者については、趣味の狩猟者頼みを脱し、プロによる効率的な捕獲につながると期待されている。

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