国賓として来日したオバマ大統領。2014年4月23日に安倍晋三首相と東京・銀座の寿司屋で約1時間半にわたって「寿司外交」をした。この会食でオバマ大統領が寿司をどれくらい食べたのかについて報道が分かれている。
寿司の大好きなオバマ大統領は「生涯で最もうまい寿司とご満悦だった」との報道があれば、コースの半分で箸を置いた、とし、暗い表情で店を出るオバマ大統領の写真を掲載しているメディアもある。大統領は満足したのだろうか。
韓国・聯合ニュースは「苦虫」を噛んだようなオバマの写真
オバマ大統領が招かれたのは東京・銀座の寿司屋「銀座 すきばやし次郎」で、レストランの格付け本、「ミシュラン・ガイド東京版」で最高の評価となる三ツ星を7年連続獲得している有名店だ。店主の小野二郎さん(88)は、オバマ大統領も見たという、アメリカで制作されたドキュメンタリー映画にもなっている。ハワイ出身で鮮魚を食べ慣れているオバマ大統領は大の寿司好きで、「次郎」に行くことを非常に楽しみにしていると報じられた。
この銀座本店の「次郎」は一般的な寿司屋とは違っていて、お品書きは「おまかせコース」のみで一人3万円以上する。コースなのだが前菜などは無くいきなり寿司が出てくる。全部で18個(貫)握られ最後に卵焼きとデザートが出る。14年4月1日現在で、翌月末まで予約が埋まっている。
14年4月23日夜に安倍首相に案内されたオバマ大統領は記者団の前で満面の笑みを浮かべ「次郎」に入っていった。同行したのはスーザン・ライス大統領補佐官、キャロライン・ケネディ駐日大使らだ。そして14年4月24日にはこんな報道が出た。
AFP通信は日本語電子版で「オバマ大統領、高級すし半分しか食べず?」という見出しを掲げ、日本のTBSなどの報道によると、大統領は世間話をしたり、すしに舌鼓を打ったりする間もなく、すぐに日米交渉の話を始めた、と書いた。安倍首相は完食したがオバマ大統領はコースを半分ほど終えたところで箸を置いたのだという。
韓国の聯合ニュースは電子版でAFP通信の記事を引用し、安倍首相はオバマ大統領との親しげな「絵」を演出したかったが会食ではそうならず、固いやり取りが続いた、とした。寿司の深い味を吟味する間もなくオバマ大統領は単刀直入にTPP(環太平洋経済連携協定)の話題を持ち出したなどと書いて、笑顔で店を出る安倍首相の後から付いてくる苦虫を噛み潰したようなオバマ大統領の写真を掲載した。また、国際環境保護団体グリーンピースが、絶滅の危惧種であるクロマグロを食べる可能性があるとし、「責任のあるメニューの選択をすること」と提言したとも書いている。
14貫食べたのなら十分な量なのではないか?
日本国内の新聞報道では、オバマ大統領は「次郎」の寿司を絶賛し「今夜の寿司は私の人生で最高のものだった」「ここの寿司はとても素晴らしかった」などと大喜びだったとなっている。菅義偉官房長官は14年4月24日の記者会見で「(オバマ氏は)かなり食べたと聞いている。表情からすこぶる満足だったのではないか」と語った。共同通信によればオバマ大統領が食べたのは14貫だそうだ。本当だとすれば通常メニューでは三分の二以上を食べたことになる。ネットでも「14貫食べたのなら十分じゃないか?」といった声もある。また、オバマ大統領の好みもあるから、食べられなかった魚が含まれていた可能性もあるわけだ。
実際オバマ大統領はどれくらいの量の寿司を食べたのか「次郎」に25日昼から電話で問い合わせたが、つながらなかった。夜に直接「次郎」を訪ねてみたが、入口に現われた店員から「営業時間中は(取材など)遠慮していただきたい」と断られてしまった。