楽天は2014年4月25日、運営するオンラインショッピングモール「楽天市場」で、商品の価格を水増ししたうえで大幅に割り引いたようにみせかけて販売していた「二重価格表示」問題について、18人の社員が価格の水増しを店舗側に提案していたことを明らかにした。
山田善久副社長は記者会見で、「楽天市場を利用している人や出店者の皆さまに多大なる迷惑をおかけしたことをおわび致します。今後はこのような事態を招かないよう、信頼の回復に努めてまいります」と、謝罪した。
「楽天市場」では、13年秋に実施した「楽天日本一セール」などで、通常価格で販売しているにも関わらず、通常価格の表示を2倍以上に釣り上げるなどで半額以下のセールと見せかける、不当な二重価格表示が指摘された。
元値をつりあげてセール価格を安く見せかける二重価格表示は、景品表示を表示法違反の有利誤認に当たる可能性がある。楽天は当時、店舗の独断で行ったこととして、不当表示が確認された17の店舗について出店停止の措置を発表していた。
山田副社長によると、18人の社員は「ルール違反であることを知っていたが、それほど悪いこととは思っていなかった」などと述べており、コンプライアンス意識が徹底していなかったことがわかったという。
一方、これまでの調査では組織的な指示があったことを示す事実は確認できなかったとしている。
また、楽天では今回の事態を受けて、責任の所在を明確にするため、常務執行役員1人に6か月間10%の減俸と6か月間10%の報酬返上、執行役員3人に6か月間10%の減俸の処分を行う。不当表示の提案を行った社員18人については、処分は行わない方針。