反動が心配
百貨店にしてもスーパーにしても、事前には「今回の駆け込み需要は、良くて1997年並み」との見方が多かった。1997年時よりも消費者は冷静で、「無駄な買い物はしない」との実感があったためだ。駆け込みの「山」が低い分、その後の「谷」も浅いと読んでいた。
ところが蓋を開けてみると、3月下旬にかけて大きく伸びた。消費を刺激しようと、各社は「まとめ買いセール」などを相次いで開催。景気回復基調も手伝って、売り上げを押し上げた。
業界関係者の心配は、反動の「谷」が深くなって、元に戻るまで時間がかかってしまうこと。4月に入り、売り上げの減少に見舞われているものの、「日を追うごとに反動減は小さくなっている」(百貨店協会の井出陽一郎専務理事)、「予想を超えるような大きな反動減ではない。順調に戻りつつある」(チェーンストア協会の井上淳専務理事)と、まずまずの手応えのようだ。
夏のボーナス増が予想されていることも、小売り各社にとっては好材料。ただ増税によって節約志向が高まる可能性もあり、消費が本格回復に向かうか、なお不透明感が漂う。