室戸沖で深海魚の「ホテイエソ」が24日に最多の159匹
深海魚が引っかかった例はまだある。
2014年1月に秋田県男鹿市、2月には富山市で、水深200メートル以下の深海に生息するとされる「リュウグウノツカイ」がかかった。富山市では13年12月に続いて2度目のことだ。
富山県では2月に新湊沖、3月に水橋沖で、太平洋や大西洋の温帯海域に生息する「ユキフリソデウオ」が定置網にかかり、氷見沖では「キュウリエソ」が大量発生して漁師を悩ませた。
新潟県佐渡島沖では「カグラザメ」が、山口県萩市沖の日本海では、通常は水深100~500メートルのぬるめの環境にいるとされる「サケガシラ」がかかった。サケガシラは島根沖でも「大漁」で、2月には毎日数匹から十数匹がかかり、その影響かどうかは不明だが、島根県で1~2月に旬を迎える寒ブリの水揚げが大きく減ったという。
マフグが大漁の福井県越前町でも「サケガシラ」が獲れることがあるそうで、漁協では「最近(獲れる)頻度は増えているかもしれない」と話す。「稀に、『ユウレイイカ』が引っかかることもある」そうだ。
そうしたなか、4月22日には高知県室戸岬沖の定置網に、生態がほとんどわかっていない深海魚「ホテイエソ」が105匹もかかっていた。21日にも9匹が見つかったばかり。連日のことで漁師らは驚いているが、「じつはきょう(24日)も、最多の159匹が獲れました」と、室戸界隈の魚類などの生態に詳しいNPO法人「日本ウミガメ協議会」の渡辺紗綾さんは目をこすっている。
「室戸沖は陸から急に深くなっているので、深海魚がかかることは稀にありました。それでも、もう10年住んでいますがこんなことは初めてです」
22日に1匹を生きて捕獲したが深夜に死んだ。これから調査解剖するという。ちなみに、渡辺さんは「試しに食べてみたら、コリコリとしておいしかったですよ」と明かす。白身だそうだが、ただ脂が多すぎるらしい。