旅客船の沈没事故を受けて、韓国が修学旅行を夏まで禁止すると韓国メディアが報じ、驚きの声が上がっている。修学旅行自体に問題があるわけではないのに、と疑問を呈す向きが多いのだ。
今回の沈没事故は、船が急旋回したことなどが報じられ、船会社の不手際による人災の色合いが強くなってきている。
日本への修学旅行にも影響が出始める
そんな中で、韓国の教育省が2014年4月21日、全国の小・中・高校で3~7月までの1学期の間、修学旅行を禁止したと報じられた。その理由としては、安全対策を再点検するためなどとされている。ただ、どのようにして点検できるのか詳細は不明だ。さらに、修学旅行の廃止まで検討するとされている。
韓国メディアによると、同様な事故を懸念して、韓国のネット上では、修学旅行の廃止論が高まっている。コミュニティサイトなどでは、署名活動も行われ、あるサイトでは、すでに2万5000人以上が応じたと報じられた。
一部のメディアでは、修学旅行は、日本統治時代に日本から持ち込まれた文化にすぎず、大人数で移動するのはリスクがありすぎるなどとも指摘している。
こうした疑問が相次いだことで、韓国の高校などでは、日本への修学旅行をキャンセルする動きが実際に出ていた。
博多と釜山を結ぶフェリーを運航しているカメリアライン(福岡市)では、取材に対し、事故後に韓国の高校5校で計約1200人分がキャンセルされたことを明らかにした。大学の研修旅行も、3校計約360人分がキャンセルされたという。韓国からの一般客も含めれば、計約2000人のキャンセルがあったそうだ。
韓国人客は全体の7、8割を占めるというだけに、影響は深刻だ。カメリアラインの旅客営業部では、「韓国の動きによっては、今後もっと増える可能性があります。その分は、日本人客を増やすしかないでしょうね」と困惑した様子だった。報道によると、同じ区間で高速船を運航するJR九州高速船も、韓国人客が約500人も減少したという。