報道官「中国政府は中日共同声明のすべての原則を堅持・保護する」
予想外だったのが中国側の反応だ。中国外務省の秦剛報道官は同日夕方の定例会見で、この訴訟について「普通の商業契約に関する紛争に過ぎない」と断言。差し押さえについては
「(原告と被告の)双方が和解を目指して何回も話し合いを重ねてきたが、残念ながら解決しなかった。こういった状況で、中国の裁判所は原告の請求にこたえて強制執行を命じた」
と無関係を強調し、
「この件と中日戦争の賠償問題とは何の関係もない。中国政府は中日共同声明のすべての原則を堅持・保護する、という原則的立場に変わりはない。法律にしたがって、中国は中国に投資した外国企業の合法的権益を保護する」
と原則論を述べた。
この中国側の反応に対して、菅官房長官は4月22日午前の会見で、
「本件をめぐる過去の経緯をみるときに、政府として本件訴訟と戦争との関係について、断定的に述べることは困難な面があることも事実」
と若干トーンダウンしたものの、
「外交ルートを通じで、商船三井の船舶が差し押さえられたことに対する遺憾の意を中国側に伝達し、中国側に適切な対応をとるように強く求めている」
と、中国政府として問題の解決にあたるように求めた。