北朝鮮メディア、沈没事故の「沈黙」破る 「お見舞い」なし、対応の拙さを強調

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   韓国南西部の珍島(チンド)付近で大型旅客船セウォル号(6825トン)が2014年4月16日に沈没した事故では、20日正午時点で死者数は49人にのぼっており、250人以上の安否が分からないままだ。日本を含む世界各国がお見舞いの意を示したり支援の申し出をしたりする中、際立っているのが北朝鮮の対応だ。

   公式メディアは約2日間にわたって沈黙を続け、やっと事故について報じた記事では北朝鮮側の対応には触れず、韓国政府の事故対応の拙さを強調する内容だ。惨事に乗じて韓国政府を批判しているともとれ、南北関係の冷え込みが事故への反応にも影を落としている形だ。

「行方不明者家族が抱く悲しみと怒りがどれほど深いか、政府当局は深く胸に刻むべき」

   国営朝鮮中央通信は4月18日「南朝鮮で旅客船沈没事故」と題した記事を配信し、翌19日の労働新聞にも掲載された。

   記事では、事実関係については

「事故で死傷者が出ており、数百人の安否が分からないままだ。沈没した旅客船を引き上げるまでには多くの時間がかかるという」

といった具合に淡々と報じているが、韓国メディアを引用する形で事故対応への不満が高まっていることも伝えている。引用された部分は以下のようなものだ。

「救助作業は遅々として進まず、家族は憔悴している。『子どもの命を返せ』と泣き叫ぶ親もいた」(CBSテレビ)

   また、MBCテレビが報じた内容はさらに辛辣だったようで、朝鮮中央通信の記事には

「韓国では数十年前からこのような大事故が続いている」
「私たちはまた、どこでどのような惨事が起きるかわからない不安な時代に生きている。子どもたちを安心して修学旅行に送り出すことすらできない世の中だ。眠れない夜を過ごす行方不明者家族が抱く悲しみと怒りがどれほど深いか、政府当局は深く胸に刻むべきだ」

とある。

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