韓国南西部沖で旅客船「セウォル号」が沈没する事故が発生してから4日目、いまだ273人(19日朝時点)の行方がわかっていない。
韓国内で対応に右往左往している政府への不信感が募る中、大手紙が「韓国は三流国家」「恥ずべき国」などと強い論調で自国への批判を展開している。
朝鮮日報「韓国には船長のような人物がいくらでもいる」
最も厳しい論調なのが、韓国最大の発行部数を誇る「朝鮮日報」だ。事故発生以来、連日社説やコラムで批判を繰り広げている。
事故翌日の4月17日は「先進国ではあり得ない大惨事」という見出しの社説を掲載。現在では「韓国こそ世界一」と誇れる分野も決して少なくない、とした上で
「『世界一』という派手な外見の内実がどの程度のものかについては、今回の旅客船沈没事故が如実に示している。政府も行方不明者の数さえ把握できず慌てるばかりだった。船舶や携帯電話、自動車などを製造する技術は一流になったが、それを取り扱うソフト分野は相変わらず後進国レベルにとどまっているわけだ」
と指摘している。
翌日掲載されたコラムでは、「船内で待機するように」というアナウンスを信じて船にとどまった多くの乗客が犠牲になっているのに対し、我先にと船を去った乗組員が助かっていることについて「『文明』ではなく『野蛮』な状況」「危機の責任者は逃げ出し、保護されるべき弱者が次々と犠牲になった。これで果たして、韓国は文明国といえるだろうか」と非難している。
4月19日には「韓国社会にごまんといる『セウォル号の船長』」というコラムを掲載。「韓国社会の安全に責任を持つべき地位に、セウォル号の船長のような人物がいくらでもいる」とした上で、こう述べている。
「国連のコフィー・アナン前事務総長は『先進国』についてこう定義している。『全ての国民が安全な環境の下、自由で健康な生活を送れる国』。この点で韓国は依然、途上国のままだ」