「速やかに措置をしなきゃいけない」「喫緊の課題としてやる必要がある」の声
原子力規制委員会の有識者会議にあたる「核セキュリティに関する検討会」の13年7月8日の会合で配布された資料では、従業員の「信頼性確認」のために想定される項目として、本人を識別する情報以外に(1)犯罪歴 (2)懲戒処分歴 (3)信用状態(4)薬物、アルコールの影響(5)精神の問題に係る通院歴(6)秘密情報の取り扱いに係る非違歴、といった項目があがった。政府機関が国家安全保障や治安維持目的で保有している個人情報の活用についても、
「確信犯的な内部脅威者の排除のためには,これらの機関の情報の活用が不可欠である」
とされた。「確認」を行う主体としては、欧米の事例を踏まえて電力会社や原子力規制委員会が想定されているようだ。
確認すべき項目については突っ込んだ議論はなされなかったようだが、制度の整備自体については、
「速やかに措置をしなきゃいけない」「喫緊の課題としてやる必要がある」
といった声が出た。
14年3月17日には、規制委の「個人の信頼性確認制度に関するワーキンググループ」の会合が開かれている。会合そのものは非公開だが、会議で配布された「第1次とりまとめ案」は公開されており、そこには、
「『制度導入を行うべき』、『制度は、法令化による対応が必要』、『確認対象は、関係会社の従業員までを対象とする』という点については概ねコンセンサスが得られたものと考えられる」
とある。今後も、WGでは具体的な制度設計について議論が進む予定だ。