原発「内部テロ」防止対策が浮上 犯罪歴など作業員の「身体検査」法制化検討進む

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   原子力発電所で勤務する従業員などを、テロに対する「内部脅威」ととらえて、過去の犯罪歴などを調べる「信頼性確認」に向けた法的整備の検討が原子力規制委員会で進んでいる。

   東京電力福島第1原子力発電所で不可解なトラブルが相次ぐなか、テロ対策として有効な反面、テロ対策を名目に、「身体検査」を通じて不当な差別につながる可能性を懸念する声もある。

汚染水「移送ミス」は本当に「ミス」なのか

福島第1原発の作業員不足に拍車がかかりそうだ(東京電力提供)
福島第1原発の作業員不足に拍車がかかりそうだ(東京電力提供)

   福島第1原発では、2014年3月19日には浄化装置「ALPS」(アルプス)の不調でほとんど浄化できていない水が処理済みの水が入ったタンクに流れ込み、再び汚染されるという事態を招いた。4月14日には、使う予定のなかった仮設ポンプ4台が動いて高濃度汚染水約200トンが、予定とは異なる建屋に移送された。いずれのケースも、汚染水が本来とは違うルートを通ることになった原因は解明されておらず、人為的な要因を疑う声も出ている。

   2月19日に発覚した高濃度汚染水漏れ事故では、弁の操作ミスが原因だと東電は説明しているが、単純ミスなのか作為的に誤った操作をしたのかまでははっきりとしない。

   この段階で原子力規制委員会では、

「これが単なる操作ミス的なものを越えて、何らかの悪意というものがもしあるとすれば、非常に重要なセキュリティ上の問題も当然出てくる」(2月26日、大島賢三委員)

といった「テロ説」に近い指摘が出ており、具体的な対応策についても検討が進んでいる。

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