社内改革では対応できない
一方、糖尿病治療薬「アクトス」や前立腺がん治療薬「リュープリン」など、年数千億円規模を売り上げてきた同社の主力医薬品が相次ぎ特許切れを迎えており、同社の屋台骨が揺らぎかねない状況になっている。新薬開発は同社にとって最大の課題だ。ライバル社出身のウェバー氏をトップに登用するという思い切った取り組みは、こうした難しい環境の中で、これまでの延長線上の社内改革では対応し切れないという危機感が背景にある。
ウェバー氏は、初めて公の場に登場した2日の記者会見で、こうした武田薬品の現状を受け、「世界各地で培った経験を生かしたい」と語り、さらに、「新薬や革新的医薬に対するニーズは新興市場だけでなく、欧米や日本でも大きく、それが私たちの将来の基盤になる」と強調。グローバル規模で研究開発や販売などの展開を強化していく方針を明らかにした。
異例のトップ人事で新生・武田薬品に生まれ変われるか、ウェバー氏の手腕が注目される。