韓国沈没客船「建て増し工事」が事故の遠因か? 重心高くバランスを崩しやすい構造になっていた!

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   韓国南西部の珍島(チンド)付近で大型旅客船セウォル号(6825トン)が沈没した事故では、発生から1日以上経った2014年4月17日夕方時点でも280人以上が船内に閉じ込められたままになっている。

   原因究明は始まったばかりだが、急に針路を変えて積み荷のバランスが崩れたことが原因だという説も出ている。この船は日本で20年前に建造されたが、韓国に売却された直後に「建て増し」され、重心が高くなってバランスが崩れやすくなったという指摘もある。仮にこれが本当であれば「建て増し」工事が事故の遠因だともいえ、乗客を避難誘導する際の不手際に加えて、整備面でも批判の声が出そうだ。

2年前のリニューアルで定員を15%増やしていた

   セウォル号は1994年に日本で竣工。マルエーフェリー(鹿児島県奄美市)の「フェリーなみのうえ」として主に鹿児島-奄美-那覇を結ぶ路線で活躍していたが、老朽化にともなって2012年に韓国の清海鎮(チョンヘジン)海運に売却され、「セウォル号」としてリニューアル工事が行われた。

   「フェリーなみのうえ」時代は総トン数が6,586トン、定員804名。これに対してセウォル号の総トン数は6825トン、定員は921人と韓国で運航している旅客船としては最大規模だ。リニューアル工事でトン数は3%、定員は15%増えた計算だ。

   聯合ニュースによると、この工事が原因で重心が高くなり、バランスを崩した時に元に戻ろうとする復原力が弱まったとの指摘が出ている。記事では

「日本での使用年数が20年になる老朽船舶を持ってきて構造変更をしたのが問題。これを承認した管理監督機関も問題は少なくない」

といった専門家の声を伝えている。

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