38年前に小説『北帰行』で文壇に衝撃を与えた外岡秀俊氏が長い沈黙を破り、最近、作家活動を再開した。「週刊読書人」の2014年4月11号が外岡氏のロングインタビューで詳細を報じた。
外岡氏は1953年生まれ。東大法学部在学中の1976年、石川啄木をテーマにした小説『北帰行』で文藝賞を受賞。高名な文芸評論家から高く評価されたが、作家にはならず、翌年、朝日新聞社に入社。記者活動に専念し、ヨーロッパ総局長や東京本社編集局長を経て2011年3月、同社を早期退職した。その後は故郷の札幌に戻り、『3・11複合被災』(岩波書店)など東日本大震災関連の著作を次々と出版、フリーでジャーナリスト活動を続けているとみられていた。
今回のインタビューは「週刊読書人」の1面をほぼ全面使い、さらに2面にまたがる長大なもの。『文藝』の2014年1月号に「中原清一郎」のペンネ―ムで掲載され、3月に単行本化された長編小説『カノン』が実は外岡氏の作品で、再び小説を書くことになった心境の変化や経緯などを語っている。