アメリカで1年間に生じる損失は10兆ドル?
自分の「先延ばしグセ」は、親から受け継いだ遺伝子のせい」かもしれないと、グスタフソン博士らの研究結果に、納得した人は少なくないだろう。なにしろ本人が自覚していても、「先延ばし行為」はなかなか改善できないケースが多いと思われるからだ。
とはいえ、だからといって何をやるにもグズグズしていては他人に迷惑をかけるし、決して褒められたことではない。グスタフソン博士は「先延ばし行為」について、「現代社会では精神的、身体的、経済的に不利に働くもの」とも指摘している。
「先延ばし」とモチベーション研究の第一人者で、カナダのカルガリー大学ビジネススクールのピアーズ・スティール教授は、著書「ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか」(阪急コミュニケーションズ)で、職場のサボりが生み出す経済損失は小さくないとしており、「アメリカで1年間に生じる損失は10兆ドル」にものぼるらしい。